このブログのせいというわけではないと思いますが、12月に入ってからスモックエプロンが売れています。やっぱり冬の忙しい時期、忙しい女性たちのマストアイテムなのでしょう。
先日私は、流行のチェック柄を二枚買いました。家が60年代の建物なので、どこか懐かしいチェック柄がぴったりなのです。
そして実際の話、購入して以来、毎日のように着ています。家に帰るとコートを脱いで、まずスモックを着るのです。暖かいし、働きやすい!
前回のブログでこの商品がなんと101年前に考案されたと書きましたが、その証拠たる記事を見つけました。雑誌『婦人之友』の大正6年、つまり1913年の記事です。面白いので抜粋しましょう。
気のきいた家庭用仕事着 笹木幸子
働く時のキリリッとした装ひぶりは、見るから気持ちのよいもので御座います。お掃除をするにも、洗濯をするにも、するするとした風や、仕事半ばにはさんだ袖が、幾度も落ちてくる様なだらしのない様子をしてゐては、第一仕事が運びません。(中略)何か便利な前掛やうのものをと誰も思ふのでありますが、西洋の前掛から形を取ったものは、あまり飾りが多すぎるので、洗濯が面倒だったり(中略)。なるべく便利で簡単に出来るものをといろいろ考えました末、白のキャラコで作ってみました。(中略)何でも働くと名のつくときは、凡て之を用ひることにして見ました。
大正時代の主婦はおもに着物を着ていました。『婦人之友』は当時誕生したサラリーマン世帯を対象にした新しいスタイルの雑誌でした。着物をきてカマドでご飯を炊いていた女たちに、洋服の型紙や、立って作業の出来る台所の設計図を載せた雑誌でした。エプロンもまだなかった時代、従来の前掛ではなくて、西洋人のひらひらしたエプロンでもないスタイルを考えて作られたのがこのスモックなのでした。
上の記事には続きがあって・・・
ところが此処に困ったことが御座いました。それは大変便利で気持ちがいいので、夏休みなどに郷里に帰って、例の通り洗濯やお掃除のとき着けますと、近所隣がいかにもおどろいた様に、そしていわゆる「新しい女」視されるので、若い娘達には何やら恥ずかしく、せっかく便利なものを広めるどころか、押入れの隅に入れてしまふ様な始末で御座います。
平塚雷鳥が『青踏』という雑誌を立ち上げたのはこの頃です。女性解放の雄叫びに、「新しい女」というちょっと非難めいたレッテルが貼られた時代です。割烹着を着ているだけで「新しい女」と見られるなんて、面白いですね。
真っ白な色があまりに目立つからと、縞の木綿で作り直したら、娘たちも喜んでまた着てくれたそうです。
当然雑誌には型紙と縫い方が付いていました。この元祖スモックに改良を加えてより使いやすくしたのが研究所のスモックエプロンです。こんなにたっぷりと良質な国産綿を使って作られているのに、値段はお手ごろ。
当時に比べて家事労働は楽になりました。もはや家で着物を着る人などいませんが、汚れてもいいスエットを着ているからと、エプロンを着ない人も増えています。
でも、やっぱりエプロンを着けると気分が上がる。さて、これから台所仕事始めるぞ!、とスイッチが入ります。年末の忙しいときは特に。動きやすいし暖かいから。部屋着としてもおススメです。
詳細は↓
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