2015年1月28日水曜日

猫もいた! (洗える動物)



先に二回続けて書いた「上品なのに洗えるぬいぐるみ」、なんと猫もいたんですよ。

もう、これは猫好きとしてはスルーできない!!

なので特別枠で、「洗えるねこ」をご紹介。

この世に猫好きは多いから、猫グッズを扱っている店ってたくさんありますよね。店中ありとあらゆるものが猫、ねこ、ネコ・・・というショップ、たとえば日暮里などにもいくつかあります。でも、いつもおもうのですが、なぜかかわいいものが少ない。だいたい丸顔で目が大きくて、漫画のキャラクターみたいな猫が多いのです。カレンダーなども、妙に甘ったるいかんじの子猫ばかりで。

やっぱり猫の魅力って、あんまりかわいすぎない、っていうか媚びてないところなんじゃないでしょうか!

そこで、こんな猫はいかがでしょう。





すごくキリッととしているでしょう。金の目玉がたまりません。黒猫です。

白黒の縞の服を着て、赤いリボンを巻いている。カッコいいですね。堂々としてるじゃありませんか。媚びてません。

「このストライプの服は、生地から特注で作ってもらっているのよ~」

と、玩具部リーダーの澤久美子さん。

「前と後ろの中心で縞の線がぴったり合うように縫うには、とても技術が必要なんですよ」

とのこと。たしかにこんなに綿がびっしり詰まった状態では、縞がコンマ数ミリずれたら目立ちます。



う~ん、さきほどアトリエの制作の現場へ行き、制作者さんの年季の入った指を見て、服まで特注と聞いてしまったら、しかも、このつぶらな金の瞳で見つめられたら・・・

やっぱり、お持ち帰りでしょう。

ということで、このねこちゃんは今うちにいます。

ふつうにアートな置物としてもOKです。

アイドル撮影会の気分で・・・













商品の詳細は↓
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2015年1月27日火曜日

上品なのに洗えるぬいぐるみ その2



前のブログの続きです。http://seikatsukogei.blogspot.jp/2015/01/blog-post_27.html


洗える動物シリーズの制作者にお話を聞きました。


いつもおもうのだけど、ぬいぐるみを作っている現場って、すごく雰囲気がいいんですよね。ぬいぐるみ作りが好きでたまらない人ばかり集まって、しかも自由学園の同級生や先輩後輩が、ずっと仲良く仕事をしているので、当然と言えば当然なのですが、こういうことって、案外大切ではないでしょうか。

製品が生まれてくる環境、それを作る人の気持ち。とくに赤ちゃんに与えるおもちゃには、そんなポジティブな波動がほしい。まるで親戚のおばさんが作ってくれたような、やさしいおもちゃたち。心がこもっているのです。

とはいえ、彼女たちはプロ、売り物を作っているのですから、きっちり物を作る、その点ではきびしいのです。

お話を伺ったのはHさん。ぬいぐるみ作り30年の超ベテランです。洗える動物シリーズは昭和39年、1964年から販売していますので、彼女は初めからこのシリーズを作ってきました。

デニム地にぎゅうぎゅうに綿を詰める、これはかなり力のいる仕事です。ドライバーを使って綿を詰めますが、ある程度の塊で入れないと、中でゴロゴロしてしまって取り返しがつきません。硬い生地を縫うのも力が必要です。




彼女の手の指は、長年の作業でちょっと変形していました。ある時期はとても痛かったそうです。

「この痛みを乗り越えて、こういう作業ができるようになったのよ」

とニコニコされていますが、ぬいぐるみ一筋30年、というのはなかなかできることではありません。頭が下がります。

「やっぱりHさんが作るのはフォルムがいいわ!」

とそばで感心しているのは、Nさん。彼女はまだ2年目の新米。指はまっすぐできれいなネイルをしていました。綿入れの段階では、Hさんの指導が入るそうです。

お二人は、洗える動物シリーズのほかに、「オルゴール仔馬」というぬいぐるみを担当しています。これもまたかなりアートな作品なので、また後日レポートします。

とっても明るくて楽しい、こんな人たちが作っているぬいぐるみなのでした。


本日のぬいぐるみ制者さん


ボクたち検品中~

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上品なのに洗えるぬいぐるみ その1



世の中にはいろいろなぬいぐるみがあり、この研究所でも、これまでご紹介してきたように、いろいろなタイプのものがありあますが、ぬいぐるみって、大体においてどこか「むさくるしい」というか、子どもが持つものだから当然ではありますが、いかにも「がきっぽい」感じがするものが多いとおもうんです。

それが、今日ご紹介するぬいぐるみは、なんだかすごく「上品」なんですよ。

その辺の子どもが持っているというより、いいところのお嬢さんとかお坊ちゃんが持っていたら似合いそうな。

まずこの無駄のないフォルムがいい。体が引き締まっていて精悍です。

そして面構え。きりりとして知的です。IQの高そうな表情。関取の名前とか全部暗記してそうだし、科学の質問したら応えてくれそう。それでいて、小ざかしくい感じはなく、頼れるお友だちという雰囲気。

手作りの究極ともいえそうな、しっかりした肉付きは、触っていると感動すら覚えます。

こんな美しいぬいぐるみなのに、ざぶざぶ洗えるんだそうです。



その名も「洗える動物―いぬ」です。

こんなりりしい顔をして洗濯機で洗えるって、ホントかしら?

でも公式ページでもネットを使用して洗ってください、とあります。

ぬいぐるみって、次第によれよれと汚くなるものだけど、洗濯機で洗えるとなれば、いつも清潔ですよね。

そのほか「うさぎ」と「ぞう」がいます。

うさぎさんも、なかなか、いい顔をしています。耳が長い。す~っとすごく長い。真っ赤な目が私をしっかり見返しています。ちょっと微笑みながら。



こんな真っ白でも洗えるとなると、うれしいですね。

そしていぬさん同様、うらやましいくらい張りのあるボディ。

ぞうさんは、さわやかなブルーです。これもまた耳が印象的。口元に謎めいた白いステッチが。どうやら牙のようですが、こわくない、かわいい牙です。



ピンクのストライプの洋服が似合っている。ピンクだから女の子のように見えるけど、顔は男の子。でもその中性感がたまりません。

なんてアートなぬいぐるみたち。これはもうおもちゃの域を超えています。オブジェとして飾っておきたくなりますね。

この人形が生まれたのは昭和39年だそうです。なぜこんなに長い間売れ続けているのか、そこに答えがあると私はおもいます。

先日読んだ記事によると、子どものおもちゃはいま圧倒的にキャラクターものが人気なのだそうです。

たしかにキャラクター商品はトレンディーだし話題性があります。それはそれでいいでしょう。でも、一つくらいは、こんなオーソドックスな本物のぬいぐるみがあったら・・・

こどもを賢く正しく清く育てたいお母さん、考えてもみてください。子どもの頃から、こんなりりしい正当な人形をそばにおいてみたら・・・


さて、このぬいぐるみを作ることができる人は、例によって数人しかいないのだとか。いざ、取材に行ってきます。


つづく。
http://seikatsukogei.blogspot.jp/2015/01/blog-post_4.html


商品の詳細は↓
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2015年1月15日木曜日

緊急ニュース(1/18テレビに出ます!)



先日ちょっと書きました。ここの商品がご皇室の方々に愛用されてきたこと。

とくにここの玩具が、ただのおもちゃじゃなくて、子どもの知性と情操を育む目的で作られたものだから。つまり、「教育的な玩具」なのです。

そして、まさにこのことで先日取材がありました。


皇室の窓スペシャル 両陛下愛の物語

1月18日(日)夜7時
皇室の窓スペシャル 両陛下愛の物語

番組内容

天皇皇后両陛下はともに80歳代となられた。結婚以来お二人で歩まれてきた道程をたどる。
また、81歳を迎えられた天皇陛下のお誕生日会見の模様や、皇室の昨年一年の出来事を振り返る。
さらに、成年皇族となられた佳子さまなど、お孫さまたちの様子も伝える。

トピック

・昨年歌会始で入選した聖心女子大学3年生・中島梨那さんインタビュー
・私的旅行をされた栃木県・わたらせ渓谷鐵道の社長に当時の秘話をインタビュー
・両陛下はなぜビニールの傘を使われるのか?ビニール傘製造会社を取材
・美智子さまご出産秘話を、立会った医師に取材
・美智子さまがお子さまたちの教育で関わった自由学園を取材
・長年にわたり両陛下を撮り続けてきた元皇室カメラマン・河崎文雄さんにインタビュー
・皇室ゆかりの地・元沼津御用邸を、山下晋司(皇室ジャーナリスト)と水原恵理アナウンサーが取材
トピックに「美智子さまがお子さまたちの教育でかかわった自由学園を取材」とあります。

学園を取材した際に、ここの玩具をご使用されたことを聞いてこちらにも取材に来てくれました。



放送日は明日1月18日午後7時 BSジャパンです。↓
http://www.bs-j.co.jp/official/koushitsu14/




エプロンのようなドレス その2



前のブログでご紹介した、エプロンドレス、さらに突っ込んでその魅力をご紹介します。

http://seikatsukogei.blogspot.jp/2015/01/blog-post_15.html


ここ工芸研究所では、このエプロンドレスをみんなが着ています。つまりユニフォーム。






それぞれ前で結んだり、後ろで結んだり、職場では必ず着ているので、彼女たちの人生でいちばん着ている服が、このエプロンドレスなのかもしれません。みなさん、しっかり「着こなして」います。ただ仕事に熱中してるところなので、エレガントかというとビミョーですが。

「このエプロンドレスのどこが好きですか?」 と聞いてみました。


  • 後ろがすっぽりカバーできるので、かがんで作業するときに、腰回りを気にせずに動ける。
  • 胴回りをすっきりと紐で縛ることが出来るので、動きやすい。
  • 着ていて楽。肩が凝らない。
  • おなか周りなど汚れたくない箇所がしっかりカバーできる。作業によっては後ろも汚れるがこれなら大丈夫。
  • あったかい。
  • 下に着る服を選ばないデザイン。
  • お洋服感覚で着心地がいい。
  • オフィスで着ていても野暮ったくない。普通のエプロンだと炊事中みたいだが、これなら来客にも対応できる。
  • エプロンより高級感があり、着ていて気分がいい。

・・・などなど。

なるほど。たしかにこれはオフィスエプロンとしてもよさそうですね。ずっと着ていても肩が凝らないというのもうれしいです。






研究所の皆さんが愛してやまないエプロンドレス。ポケットの位置などいろいろ改善を重ねながら、さまざまな色で展開されています。

今「新春エプロンセール」開催中です。チェックしてください!
http://store.shopping.yahoo.co.jp/jiyu/a001-119.html?ccode=ofv&pos=3&model=





エプロンのようなドレス その1



さて、このブログでは、この冬の一押しエプロンとしてスモックをご紹介してまいりました。私も毎日着ています。

でも・・・ときどき鏡に映った自分の姿が、ちょっと野暮ったく見えるときもあります。まあ、その野暮ったさもなんだかレトロで悪くないのですが。私のように昭和の団地に住んでいるものにはぴったりかもしれません。

しかし、高級マンションにお住まいの方にはちょっと、お似合いになるかどうか、ビミョーですよね。

だいじょうぶです。工芸研究所には、そうしたセレブな方々にもぴったりの、しかも冬には特におススメのエプロンがあるのです。

その名も・・・

ドレスエプロン!!!

じゃなかった、エプロンドレス!

エプロンじゃなくて、ドレスです。

ピンポ~ン、とドアベルが鳴って、誰が来ようと、そのまま出ることができる、そんなお洒落なエプロンです(ドレスです)。

これも研究所の定番中定番のロングセラーで、生地は「織(おり)」と呼ばれる、文字通り、高級綿の織生地です。他のオリジナルテキスタイル同様、数少ない国内の機職人に織ってもらっています。

生地のデザインはもちろん研究所のデザイナーが毎年のように新色を出しています。

現在販売しているのはこの二色

キキョウ、という名のエプロンドレス


横から見たところ

こんなきれいな色(小紫)もあります。

生地をアップすると、横糸の美しい模様が分かりますよね。使い始めは張りがある感じ、使うほどにしなやかになって、味わいが出てきます。


実は工芸研究所では昔からこのエプロン(ドレス)をユニフォームにしてきました。エレガントなのにとても作業性が高いのです。

私も、小紫のエプロンを購入してみました。昨年末、実家に帰省したときこれをもっていって着て、大掃除を手伝いました。「掃除するときでさえお洒落な都会的な娘」を演出して、田舎の母を喜ばせようとおもったからです(笑)。

このドレスのようなエプロン、じゃなかった、エプロンのようなドレスの使用感については、次にアップします。


商品の詳細は↓
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2015年1月6日火曜日

地味だけど堅実、それでいい。



明けましておめでとうございます。


地味なブログですが、統計によると、一日10人前後、ひと月に200人以上の方が読んでくださっているみたいです。ほんとうにありがとうございます。

タイトルからお分かりのように、私は、この老舗ブランドの、アトリエに行っては、そこで制作される製品そのもの、あるいはそれらを作る人たち、売る人たちを見てきました。

実際、実に地味です。その昔、日本にたくさんのおもちゃメーカーが今のようになかった時代、街のおもちゃ屋やデパートのおもちゃ売り場にはない、「良質なおもちゃがほしい」と思った人は皆、目白の古い校舎のなかで作られていたここのおもちゃを買いに来たのでした。

販売80年を超える超ロングセラーの動物ボール

宣伝も広報もいらなかったのです。知る人ぞ知る、子どもの知育とか情操とか、そういう子どもの教育に関心のある人は、ここのおもちゃを買っていれば大丈夫だと思っていたのです。そういう顧客に支えられ、それだけのプライドと自信を持っておもちゃを作ってきました。

そうした顧客の中には皇室の方々も多く、とりわけ美智子皇后様は今でもおもちゃをご注文下さるそうです。昔のことになりますが、サーヤこと紀宮様(今は黒田清子様)が学習院の初等科をご卒業されるとき、お母さまの美智子様は、クラスメート全員に研究所の仔羊のぬいぐるみをお配りになられたのだそうです。

ほんとうは、内部からはこういうこともあまり語ってはいけないとされているのですが、ここの商品の質の良さをご紹介したくて書いてしまいました。こんなエピソードはいくつもあります。


看板商品、仔羊のぬいぐるみ



しかし今は、海外からもいろんなおもちゃが入ってくる時代。いいおもちゃを作っているだけではやっていけない時代ですよね。最近、伊勢丹のおもちゃ売り場がリニューアルされたので行ってみましたが、スイスやドイツなどから来たものをはじめ、いろいろな種類のおもちゃが美しく並んでいました。

店員のお話によると、スイスやドイツのおもちゃは、それらの国より日本でのほうが売れているそうです。つまり日本には「良質のおもちゃ」を求める人が結構多いのかもしれません。

90年近くもおもちゃを作り続けている工芸研究所の商品は、伊勢丹にはありません。伊勢丹どころか、他のデパートにもお店にもほとんどおいていません。

それは、研究所の商品が他社に卸せる価格でないから。

つまり、中間業者のマージンを取られたら、儲けがまったくないからです。

ここの商品は、最高級の素材で、熟練の人たちが、ひとつひとつ手作りしている。

「学園積木」で三代の家族が遊んでいます

つまり、素材は国内の長くお付き合いしている業者から仕入れ、自由学園の卒業生の人たちが何十年にもわたって技術を継承しながら作り続けているのです。

いいものを作りたい、そのプライドと職人魂だけで生み出されている・・・

そこには儲けたいという気持ちがない。なので、商品になったときの価格は本当にギリギリのところに設定されているというわけです。

素材の調達から、デザイン、制作から検品、販売まで、すべてが重要文化財自由学園明日館内のアトリエで一元的に行われているのです。

おもちゃだけでなく、バッグやエプロンも同じ。研究所のデザイナーが国内の信頼できる、希少な機職人にお願いして生地を織ってもらい、それを商品に仕立てている。

豊富な縞柄のエプロン
定番の大判トートバッグ


こんな会社はいまどきめったにないでしょう、地味だけど、だからこそ信頼されてきたのでしょう。これからも、その信頼を裏切らないものを作っていく・・・これがこの研究所の使命なのでしょう。

私自身、身銭を切っていろんな商品を買ってみたけれど、どれ一つとして信頼を裏切るものはなかった。エプロンにしても何度洗濯してもしっかりしているし、さすがにどれもロングセラーだけのものだと思う。

今一番お気に入りのスモックエプロン。生地がいいのでアイロンもいらない!


地味だけど堅実。

この価値観が今の世の中にどのくらい通用するのかわからないけど、どう見ても、この会社にそれ以外の売りもあるとは思えない。でも一番たいせつなのはそこだと思う。

ということで、今年も地味にこの研究所のことをお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします!!!