2015年2月20日金曜日

お宅訪問




良質のおもちゃを作って売っている現場ばかりにいても、「現在のおもちゃ事情」は分からないので、赤ちゃんのいるおうちを訪ね、実際のおもちゃ現場を取材してみることにしました。


一歳半になるお嬢さんをお持ちのFさんです。私の数年来の知人で、都内の高層マンションに住んでいます。

リビングの二分の一近くが、赤ちゃんの遊べるスペースになっていました。おもちゃは中央の壁に寄せてあります。(その日は赤ちゃんはおばあさんのところに行っていて不在。)







とてもカラフルなおもちゃたち。でもFさんが買ったものはほとんどないそうです。つまりおばあさんや親戚のおばさんたちがプレゼントしてくれたものばかり。唯一彼女が買ったのは、赤ちゃんの服を買いに行った店に売っていたものを、赤ちゃん本人が気に入ったという理由で買ったピアノの玩具。

彼女はピアノの先生なので、胎教ということなのでしょう、音の出る玩具が大好きなのだそうです。




そのほか、彼女の赤ちゃんが気に入っているのは、大人の世界で興味のあるもの・・・ほんとは子どもがいじってはいけないものばかりを集めた玩具です。

ケータイ、ドアベル、水道の蛇口、ティッシュペーパー、鍵、コンセント、マヨネーズのチューブ、メガネの玩具が一セットになっているもの。こうしたものに興味津々の赤ちゃんの、ツボを集めています。

そのほか、大手玩具メーカーが毎月、子どもの成長に合わせて送ってくる「知育玩具セット」もありました。4ヶ月で止めてしまったそうですが。


今、Fさんの赤ちゃんがもっとも好きな玩具は、iPadです。先日遊びに行ったときは、それが欲しくて騒ぐので、Fさんも根負けして隠しているところから取り出していました。赤ちゃんがネットを見たりできるわけはないので、ただ触って画面が変わるのが面白いのでしょう。





なんだか、自由学園生活工芸研究所で作っている玩具とは、いろんな意味であまりに違いすぎて、なんと言ったらよいかわかりませんでした。


日本玩具協会による2013年度玩具市場調査によると、市場規模は6,756億円、うち40%はテレビゲームです。そのほか、キャラクター玩具、スマホ玩具が伸びており、オーソドックスなぬいぐるみなどの玩具の市場規模はとても小さくなっています。

子どもが積木のような素朴な玩具から遠ざかっているデータですが、それが時代の流れなのでしょう。

子どもがいる限り、玩具は必要。でも、なぜ必要なのだろう?玩具本来の役割ってなんだろう?あんな小さいうちからスマホ玩具を与えるのはいいのか、わるいのか?

子どもが喜べばいいのかな???

自分に子どもがいないのでよく分からないのですが、なんとなくビミョー気持ちになったお宅訪問でした。









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