3月31日年度末。私の生活工芸研究所における活動も今日で最後です。
桜があっという間に満開になって、今日はもう散り始めています。私も、かのように退散の時期が来ました。
明日館は花見スポットとしても有名です |
研究所のいろいろな人に会って、その製作現場や販売現場、イベントや個々の商品を見てきました。とても楽しかったです。
ここは基本的に自由学園の女子部の卒業生が大半を占めています。
私は自由学園に勤めたことがあるので、女子部というのを知っています。とても清楚で落ち着いた女性たちを育てているところです。
学校には時間を知らせるために自動的に鳴るチャイムがなく、女子部の学生が修道院を思わせる古式ゆかしいチャイムを鳴らします。
毎回の食事は自分たちで作り、掃除も自分たちで責任を持ってやります。
研究所にはこの「女子部的」な感覚が残っています。
いろいろな会社に勤めてきた私から見ると、ちょっと不思議な社風です。
数値目標を掲げて、全社を上げて、お~しっがんばるぞ、というのはありません。無理な目標は立てず、手前のやれることを確実に淡々とこなしてゆく。戦略というような、生々しいものもなじまないようです。
製品には妥協はありません。いつも最高レベルのものを作っています。そこがいちばん大切で、商売は二の次なんじゃないかと思うときがあります。
こういう会社です。ぜひ多くの方にこの商品の質を知ってもらって、ファンになっていただきたい。壊れた玩具もバッグも、何年たっても直してくれる会社なんてほかにありません。
ビジネスというのは、ある意味で儲けるためにダークな部分もあると思いますが、この会社は、女子部そのもの。清潔で、まじめで、どこか牧歌的。ちょっと心配になってきます。
それで、私も応援してきたのですが、実際のところ、どれだけ役に立ったか分かりません。「女子部的」なものは変わらないし、それでいいのかな。
私はあくまでも外部からあれこれ言ってきたに過ぎませんでした。
最後にもうひと言。
私はこの会社ほど良心的な製品を作っているところは知りません。それだけが伝えたくて、「アトリエへようこそ」をランダムに続けてきたのだとおもいます。
読者の皆様、ありがとうございました!!
タシロヒツジ