皆さん「ピンポンパン」を知っていますか。昔の子供向けのテレビ番組です。内容はほとんど覚えていないのですが、番組の最後にゲスト出演の子どもたちが大きな樹のセットへ戻っていくシーンが印象的でした。樹の中におもちゃが隠されていて、子どもたちは自分の好きなものをもらって帰るのですが、それがもう、うらやましくて、うらやましくて・・・いつかあの番組に出ることが出来たらどのおもちゃをもらおうか、と妄想を膨らませていた少女でした。
そんな少女がもし東京おもちゃ美術館に行ったとしたら、きっとうれしくて頭がおかしくなってしまったことでしょう!ここはホントにすごいです、元小学校校舎という大きな空間に世界中のおもちゃが揃っている。しかもそのおもちゃは、選び抜かれた良質のものばかり!!
おもちゃ美術館は30年前におもちゃコレクターの多田千尋さんによって設立されました。ロシアなど海外に滞在された多田さんは、西洋の質の高いおもちゃが幼児教育に大変役立っていること知り、日本の子どもにもよいおもちゃを紹介したいと思ったのだそうです。ここでは、その良質なおもちゃを見るだけではなくて、実際に使って遊べるようになっています。
子どもにとっては天国ですよね(たぶんお父さんやお母さんにとっても)、涼しくて広くて楽しくて。当然ながらこの美術館はいつでも大入り満員で、なんと先日は平日なのに千人近い来館者があったそうです。
なにしろ元小学校の建物ですから元教室の部屋がたくさんあり、部屋ごとにいろんなおもちゃを楽しめるようになっているのですが、とくに気に入ったのは「赤ちゃん木育ひろば」と呼ばれる部屋。「食育」ならぬ「木育」です。案内してくれた山田心さんによると(ちなみに彼は「ピンポンパン」を知らない世代でした)、ゼロ歳から二歳ぐらいの幼児は物の重さや香りに敏感になる時期だそうで、そのころに木の心地よさに触れて親しんで欲しいという目的で作ったひろばです。全国各地の木で作られた床や椅子に座って、子どもたちはさまざまな木のおもちゃで遊ぶことが出来ます。
その部屋には、生活工芸研究所のコルクの積木も置いてありました。もう何年も、しかも地方の巡回美術館でも使われて戻ってきたというセットでしたが、どこも壊れていませんでした(ちょっとかじられた跡が)。「こんなに長持ちするコルクの積木ってめったにないですよ!」とは、木育ひろばディレクターの石井今日子さん。「そういえば先日、ボランティアの50代の女性が子どものときに使っていたのと同じだと懐かしがっていましたけど、ロングセラーですよね」「はい、もう80年も作ってます。」「え~こんなに長い間売れている商品はほかにないですよ!」
そうなんです、生活工芸研究所のコルクの積木の歴史は長いんです。このたびおもちゃ美術館より「グット・トイ」に選定されました!それについてはまたレポートします。
閉館時間で子どもたちが帰ってしまったのをいいことに、その後はレポートも忘れ、すっかりピンポンパン少女に戻って遊んでいた私でした。
「おうちごっこ」も生活工芸研究所の商品です |
大人も楽しめる全国の「郷土玩具展」開催中! 充実してます。9月25日まで |
東京おもちゃ美術館
〒160-0044
東京都新宿区四谷4-20四谷ひろば内
東京メトロ丸の内線「四谷三丁目駅」2番出口より
http://www.goodtoy.org/ttm
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