2014年9月25日木曜日

美しき染色家たち―アトリエ訪問記Ⅱ





先日、仔羊のぬいぐるみを作っているアトリエを訪問しましたが、今日はそこで新作スカーフの染色が行われているということで、再びお邪魔してみることにしました。



三人の染色専門スタッフがいました。なにやら不思議な感じです。染物をする人たちなのに、職人というより、「染色家」と呼びたいような「いでたち」をしています。長靴じゃなくって、パンプスを履いている! きれいにお化粧しているし・・・飛び入り取材なのに。




この三人の美しき染色家――八川多賀子さん、熊崎雅代さん、新井由美子さん――がアトリエをなんとも優雅な空間にしているのです。やっぱり美しいものは美意識の高い人たちの中から生まれてくるのよね、と妙に納得です。




その美的な空間に、なぜかロケットのような物体がありました。これはスカーフを蒸す機械だそうです。




どう見てもロケットだ!




「スカーフを蒸す??」 その謎はあとで説明します。



実は、熊崎さんは今日が最後のご出勤だそうです。なんと青森県にお引越しなさるとか。それで今回の取材は熊崎さんを中心にお話を聞くことにしました。今日の作業は、きょうけつ染めの最終仕上げ。


ちなみに、きょうけつ染めは、漢字で書くと夾纈染め、天平時代から伝わる板締めによる染色方法で、正倉院の宝物にも残されている伝統の染物ですが、実は一度廃れたものを、当研究所で復活させたのだそうです。すごいですね~。


ゴースと呼ばれる絹地に染めていきます


色は見本帳から選ぶ


お話をしながら、熊崎さんは作業台の上にきれいな色の絹を取り出しました。「これから何をするのですか」と聞くと・・・


「乗馬です。」


「え、乗馬?? この作業台で・・・」


「あ、青森に行ってからのことを聞かれたのかと思った(笑)」なかなかおちゃめな熊崎さん。


台の上では、スカーフを折りたたみ、板に挟んでいきます。染めたい部分のみ外に出して、キリキリと締め上げます。なかなか力が要る作業。優雅で和やかな空気のなかに緊張感がみなぎってきました。


畳んでいます


板に挟んでいます



このきょうけつ染めはかなり手間のかかる染色手法で、板に挟んだ布を一色ずつ段々に染め上げていくので、一枚のスカーフを作るのに何日もかかるのだそうです。今製作中のスカーフは、ゴースと呼ばれるやや目の粗い張りのある絹地に、四色のグラデーションがかかっています。今日はその四色目、最終仕上げの日です。

ステンレスのボールに染色液が用意されました。板締めされた絹地に少しずつ色が入っていきます。最初は薄い色から、根気よく色を濃くしていって、同時に水温も少しずつ上げていきます。ムラにならないように染めるのは至難の業。とにかく必要なのは「根気」、これに尽きるそうです。



染色風景


ムラにならないように何時間もかけて色を濃くしていく


彼女たちが根気でかんばっている間、私は出来上がり作品を試着してみました。新作は二色展開。エメラルドとパッションです。120センチ×100センチの大判で、適度な光沢があります。巻いてみると、思っていたよりずっとエレガントな印象。派手かなと思いましたが、シックで上品です。ちょっとお洒落をしたいときに、さっと巻くだけで、装いが一ランクアップします。プリントや織物と違って、この染め方はグラデーションが自然なかんじなので、裏表を気にせず使えるのもうれしい。何色か入っているので、どんな服にも合いそうです。今日は花柄のチュニックを着ていた私ですが、どちらでもいけそうです。無地のセーターやコートに巻いてもすてきですね!



エメラルドカラー

パッションカラー


さて、染め上がったスカーフは水洗いされます。そしてアイロンかけ。それから、最初にお見せしたロケットの出番です。これは、スカーフの色移りを避けるために使われます。染め上がったスカーフを不織布と呼ばれる布に巻いて、この機械に入れて一時間ほど蒸すのだそうです。な~るほど。



板から外します



不織布に巻きます


ロケット型蒸し器に入れて、待つこと一時間




こうして今年の秋冬物スカーフが出来上がりました。きれいな箱に納めて販売されます。



特注の箱です



さて、ここでうれしいニュースです。1028日から119日までの2週間、スカーフの特別イベントが開催されます。その名も「スカーフフェア&夾纈染めフカーフオーダー会」。一点一点丁寧に染められたスカーフの新作が販売されます。またお好みの色を選んで染てもらうというオーダーメイドも可能だそうです。すごいですね~。詳しくはHPをご覧ください。↓
http://www.jiyu.jp/kougei/201410_scarf.html


「染色という作業は根気と神経を使う。だからピリピリした空気にならないように、気をつけています」とリーダーの八川さん。そうか、だから和やかさとエレガンスを保って作業することが大切だったのですね。美しい作品は、やっぱり美しい環境で、やさしい気持ちを持った人たちによって生まれて来るものなんですね!今回のアトリエ訪問で大切なことに気が付きました。


最後に、三人での作業は今日でおしまいということで、記念のショットを一枚。熊崎さん、青森でもがんばってくださいね!


左から新井さん、熊崎さん、リーダーの八川さん



2014年9月24日水曜日

遠足―社員研修の記





秋晴れのとある日、自由学園明日館グループのメンバーで「遠足」へ行ってきました。ここではなぜか「遠足」と呼ばれていますが、一般的にいえば「社員研修旅行」というのでしょうか。日帰りの、慰安をかねた研修旅行です。毎年やっているそうです。


今年の目的地は、栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリーと足利学校です。池袋の芸術劇場前からバスに乗って二時間、高速道路沿いの稲穂はとてもきれい。佐野インターを降りてしばらく彼岸花の咲く田舎道を行くと、突如目の前の山にブドウ畑が出現しました。


先日、私が長野の白馬で見たオリンピックのジャンプ台と同じくらいの、ものすごい急傾斜です。ここで葡萄が栽培され、ワインが作られているのですが、作業をするのは知的障害を持つ人たちで、適材適所を得た彼らが、ワイン作りのありとあらゆる工程に携わっているとのことです。


うつくしい葡萄棚








――と、書くのは簡単ですが、このプロジェクトは昭和30年以来の気の遠くなるくらい長い努力の物語なのです。詳しくはHPをご覧ください。↓
http://cocowine.com/

昭和30年代の開墾当初 
  

もともとは特殊な教育機関として始まった葡萄園なので、ビジネス本位というより、慈善事業的な雰囲気がただよっています。葡萄の収穫に関しても、園長先生の「自分の食べたい葡萄を摘みなさい」という指示に従って、園生は本当においしい葡萄ばかり摘むのだそうです。ふつうだったら、「このくらいは使えるだろう」的な発想で摘んでしまいますよね、商売を考えると。


ワイン蔵や製造所のステンレスのタンクもみんなピカピカで、きっとそういうのを磨くのが好きな専門スタッフがいるのかしら。他者のことを気にせず、自分の任された仕事を疑問を持たず淡々とこなせるというのは、たしかに一つの能力ですよね。本来、仕事というものはそういうものなのかもしれない・・・自然の洞窟を利用したワイン蔵は薄暗く静謐で、なんとなく神妙な気持ちになってくる私でした。

その名も「ワイン・ケーブ」

ステンレスの美しいタンク



しかしショップとレストランはしっかりプロのビジネスをしています。魅力的な商品がそろい、誰もが思わずたくさん買い込んでしまいそう。ガイドさんのお話も上手で、ワインの試飲もたくさん出来るし、過去のサミットで首相主催の晩餐会用に選ばれただけあって、味もいいし。レストランのお食事も同様にお洒落でおいしかったです。平日にもかかわらず、たくさんの観光客が来ていました。


学校法人のとしての活動とプロのビジネスがとてもうまい具合にミックスされていて、自由学園関係者にも学ぶところが多いところですね。


ワイン試飲場



5種類ものテイスティングが出来ます



おしゃれなランチ


美しい葡萄棚の下で楽しいひと時を過ごし、次に向かったのが、日本最古の学校として知られる「足利学校」。あまりに古すぎて奈良、平安、鎌倉と創建説が複数あります。応仁の乱以後は学徒3千人という超マンモス校です。室町時代を築いた足利氏の出身地ですから、文化レベルの高い土地だったのでしょう。


今はまわりに大きな施設もなく、関東の辺鄙な土地に思えるのですが、隣の太田市からは、足利尊氏の宿敵、新田義貞が出ているし、同じく隣の佐野市は戒壇(奈良時代に設けられた僧尼を認めるための施設。奈良の東大寺、九州大宰府隣の観世音寺と佐野の下野薬師寺の三箇所のみ。箱根より北の地方で僧になりたい人は皆そこへ行って戒律を授かったとか)もあったし、その昔は今よりずっと栄えていた一帯だったはずです。1549年に宣教師フランシスコ・ザビエルが「日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学」と紹介したそうですから。


日本の伝統的な教育体系は儒教がベースになっています。なので、足利学校でも孔子の教えをはじめとした中国古典がテキストです。明治以降、おそらく戦前あたりまで連綿としてつながってきた日本のエリート教育のはじまりがここだったのでしょう。学問が国を支えてきたという事実を思わす粛然とした空気が流れていました。ひと一人の小さな脳の中に詰め込まれた膨大な知識と教養と、それを基にした思考力で世界をまたにかけることも可能なのだわ~、などとその日の秋空のようにからっぽの頭で生きてきてしまった私は、妙に空しくなったりしたのでした。


ちなみに昔の武将は戦勝を占いに頼っていて、易占いよって戦いの日取りや攻める方角を決めていたとか。足利学校ではそうした易者(軍師と呼ばれた)を多数排出していたとのこと。そんな資料も展示されていました。占いも兵法のひとつ、立派な学問だったのです。


足利学校のお隣は、足利氏のゆかりの鑁阿寺(ばんなじ)です。本殿は国宝に指定されています。元は足利氏の館だったので、今でもお堀が残っています。鎌倉時代戦後の武士の住居をうかがい知ることができるというわけです。


鑁阿寺 右に大銀杏 

本殿右手前に天然記念物に指定されている大銀杏があり、その銀杏で作った厄除けのお守りが売っていました。「このお守りのおかげで交通事故にあっても助かった人がたくさんいますよ!」と売り場のオジサンに言われて、一瞬買おうかなと思いましたが、大銀杏から「気」をもらうことでいいことにしました。たしかにそこはパワースポット的な空気に満ちていました。


帰りも夕焼けにますます色づく稲穂を見つつ、順調に帰ってきました。最後に打上とか面倒くさいことをしないところが、自由学園らしくていいなと思いました(笑)。




2014年9月16日火曜日

世界一かわいい携帯スタンド



見つけました、すっごくかわいい携帯スタンド。




くまさんとうさぎさん




でも本当はこれ子ども用の玩具なのです。「オーガニック100g動物」といって、子どもが持つのに重すぎず、軽すぎないちょうどいい重さ、手にすっぽり入るサイズで作られているシリーズです。


スタッフの一人がワンセグを観るときにスタンドにするといいと教えてくれたのです。そこで試してみたら・・・



ほら、こんなにかわいい!!!!



色違いぞうさん


外国人に人気のパンダさん

りすさんも!


どの動物で試してもかわいい。なんだか癒される、彼らのとぼけた表情に。



人形の詰め物(綿と砂利のようなものらしい)に柔軟性と適度な重みがあるので、どんな形や角度にしても座りがよく、ケータイの大きさや機種にかかわらず、安定したホールドが可能なのです。


うちはテレビがないので、ときどきワンセグを観るのですが、なかなかいいスタンドがなかったのです。100円ショップで買ったのがいまひとつだったので、菓子箱を切って作ってたこともありますが、安定性が悪い。その点、これはかなりのすぐれれものと言えます。



勢ぞろいさせてみました


というわけで、子どもだけでなく、大人の方々にもおすすめ、私の一押し商品です。お好きな動物を選ぶのも楽しいですよ~。



アクセサリーホルダーにしてもかわいいです





商品の詳細は↓
http://store.shopping.yahoo.co.jp/jiyu/t-2033.html





2014年8月27日水曜日

仔羊のぬいぐるみ―アトリエ訪問記



生活工芸研究所のアトリエはショップの裏にあります。今日は、そこに仔羊のぬいぐるみの担当者がいらっしゃるということで、取材に行ってみました。


アトリエのなか

研究所の看板商品である仔羊のぬいぐるみですが、実は作製している人は、現在2人しかいません。前回のブログでお話したように、一時、皇室御用達が話題になって生産が追いつかず、仔羊作製専任スタッフを養成したのだそうですが、そのうちのひとり、秋元三喜子さんにお話を伺いました。



「仔羊を作り続けて12~13年になるかしら。2500体は作ってます。ここではいろんななおもちゃがあってどれも手縫いだけれど、ぬいぐるみのような『顔』があるのが得意な人と、ないのが得意な人とだんだんに自分の専門ができるのよ。」


そうです、ここで販売されているおもちゃはどれもひとつひとつ秋元さんのような熟練者が手作りしているのです。スタッフは約10名。このアトリエで作ることもあれば、それぞれが在宅で作ることもあるそうです。


さっそく仔羊の製作過程を見せていただきました。


まずは作業台の上におかれたのは大量の綿。こんなにたくさんの綿でたった3体のぬいぐるみしか出来ません。ふわふわで気持ちのよい綿、この上で寝てしまいたくなります。


ふわふわなのに弾力性のある良質の綿


オーガニック綿で出来たぬいぐるみの袋に綿を詰めてゆきます。この作業に熟練の技がいるのです。一度詰めた綿はもう動かすことは出来ません。慎重に全体のバランスを見ながら、まずは羊の顔の部分から詰めます。


顔の部分だけでもこんなにたくさんの量を入れる

ちなみに綿を詰める顔や胴体の部分の生地を裁断する人と縫う人はまた別の人で、それぞれひとりずつしかいないそうです。すごいですね。


頭と胴体

耳と尻尾の生地を裁断します。ピンセットを使って小さな耳と尻尾をあっという間に作ってしまいます。


耳としっぽを作っています



それから胴体に綿を詰めます。あんな小さな体にこんなに大量の綿が詰まっているから、弾力性があって抱き心地がいいのでしょう。綿が硬くならないように、おなかやお尻の部分は手だけを使ってふっくら仕上げます。



鼻の部分を縫い合わせ、また綿を入れて調整し、目の凹みを作り、口を刺繍糸でつけます。あまりの手際のよさに見ているだけで惚れぼれしてしまう私。まるで伝統工芸士のようです。思わずカメラから映像に切り替え、ずっとそのままビデオをまわし続けてしまいました。


まったく無駄のない手仕事ぶり!


目と口をつけています

「老眼とか大丈夫なんですか」とぶしつけな質問をする私に、「もともと目が悪かったので老眼が入ったらかえってピントが合うようになったのよ」と答える秋元さん。


目を縫い付けます。少したれ目気味がかわいいですね。


「あんまりキュートでニヤニヤしている顔より、ちょっととぼけた顔のほうがいいとおもうのよね~。それに作る人によってぬいぐるみの顔って微妙に変わるのよ。」


「自分の顔に似るそうじゃないですか。」


「そうそう(笑)。」


耳を縫いつけ、頭を胴体につなぎ、尻尾をつけるとできあがり。この間(約一時間)、彼女の作業に全く無駄な動きはありませんでした。さすがにこれまで2500体の仔羊を作ってきただけのことはあります。


片耳付きました



胴体としっかりつなぎ合わせます



出来ましたた!!!(隣はサンプル品)


「あなたも作ってみる?」


「え~いいんですか。やってみます。」


むかしフエルト手芸にハマっていた私、何とかできる気がする・・・


しかし・・・


実際にやってみると、まず顔に綿を詰めるところで難航しました。頭がいびつになってしまうのです。鼻の部分は何とか縫えましたが、口が難しい。ぜんぜんかわいくならない! 何度もやり直させてもらいました。そうこうしているうちに目の凹のところが、だんだん膨らんできてしまいます。


目を縫い付けて、なんとか顔らしくなりました。それから左右に少し跳ねるように耳をつけます。これもまたけっこう大変。跳ね具合が微妙です。


試行錯誤の末、なんとか顔の部分は出来ました。私に似ているかしら?


自分で作ったものはそれなりにかわいく思えるけど

胴体はあまりに時間がかかるので作ってもらうことに。出来上がったら、割引価格で譲ってもらおうとおもいます。とても売り物にはならないし。秋元さんのご親切な指導の下で、とっても楽しい体験ができました。


こんなふうに熟練の手で一つ一つ作られている自由学園生活工芸研究所のぬいぐるみたち。手作りならではの風合いと温かさがあります。ぜひショップに見に来てくださいね!


2014年8月26日火曜日

ぬいぐるみの大切さ



私はヒツジ年です。性格もモタモタしていてどちらかというとヒツジ系。ただし集団行動は苦手です。幼稚園のころからなぜかいじめられていたので、昔からだめなのです。「はぐれヒツジ」というところでしょうか。


はぐれヒツジといつも一緒にいてくれたのは「ロンちゃん」という名の犬のぬいぐるみでした。いつも背中に負ぶっていました。洋服も作ってあげました。ロンちゃんが主人公の絵本もたくさん作りました。


あるとき母が、ぼろぼろのロンちゃんを抱いている私に、新しいぬいぐるみを買ってあげると言いました。私は、「ロンちゃんへの愛情がほかへ行ってしまったら大変だから、いらない」と断りました。ロンちゃんは親戚の人からもらったぬいぐるみです。自分で選んだものではありません。たまたま縁があって手にしたぬいぐるみ、しかしその存在は私にとってとてつもないほど大きいものでした。ロンちゃんは、私を理解してくれる唯一の友だちだったのです。大人になってしまうと理解できないかもしれませんが。


もちろん今でもロンちゃんは健在です。片目はないし、あちこち繕った跡だらけですが。私はきっとひとつのものを愛する大切さをロンちゃんから学ぶことが出来たのだと思います。今も服や食器などを繕いながら長く使い続けていますから。


このように、ひとりの人生におおきな影響を与えるぬいぐるみ。子どもにとって最初の「お友だち」といってもいいでしょう。私の幼少期と違って、今はたくさんの選択肢がある時代です。いったい子どもにどんな「お友だち」を紹介したらいいでしょうか。


そこで今回はヒツジ年の私が、当研究所のロングセラーであり、看板娘でもある「仔羊のぬいぐるみ」を紹介してみたいと思います。


オーガニック仔羊で~す
 
すべすべして気持ちいいキュプラの仔羊で~す



かわいいでしょう、この表情。身長23センチ、小さな子どもが抱くにはちょうどよい大きさと硬さです。素材は肌触りのよいオーガニックコットンと、やわらかくて弾力性のある起毛キュプラの二種類です。どちらも洗えるんですよ。オルゴール入りのものもあります。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/jiyu/t-2041.html



実はこの仔羊、皇室御用達でもあるんです(あんまり大きな声では言えませんが)。

『サライ』編集部編「愛子さまのおもちもの』より



一時、皇室の方が仔羊をお持ちになっている映像がテレビで流れたとき、注文が殺到してお客様に一年も待っていただいたことがあるそうです。

それくらい数が作れないのです。なにしろ研究所のスタッフが一つ一つ手作りしているのですから。しかもこの仔羊を作れる専門スタッフは現在二人しかいないそうです。実際どのように作っているのか、興味津々の私は、研究所のアトリエを訪ねてみました。

次回はそのレポートを書きたいと思います。






2014年8月22日金曜日

生活工芸研究所の「全体会議」



「全体会議」と呼ばれる、月に一度の会議に出てみました。研究所各部の売上や活動の報告をする内輪の会議です。重要文化財自由学園明日館の有賀寛館長も社長として出席しています。


毎朝仕事を始める前にラジオ体操をしている会社なのですが、全体会議の前には賛美歌を歌います。母体である自由学園がキリスト教系の学校で、ここの職員はほぼ学園の卒業生なのです。


「その頭にはかむりもなく、その衣にはかざりもなく、まずしく低き木工として、主は若き日を過ぎえたり~♪」 


なんだかシュンとしてきちゃうような歌詞です。まったくこの会社には、商品を売るぞ、というギラギラしたものが感じられず、「いいものを丁寧に作っています」的な人ばかりです(なので私がこうほう支援しているのですが)。

全体会議の様子。手前に機織り機


賛美歌の後は聖書も読んだりするそうですが、今日の担当スタッフさんは8月17日の日経新聞の記事を紹介していました。


「個人消費が持ち直してきた。原因の一つに生活の『質』の向上を求める消費者をうまくつかんだ企業の努力がある。」

 「『上質、ゆっくり、文化』そんなキーワードが成熟社会の消費を掘り起こす。」


たしかに、過去において価格破壊などと呼ばれたダンピングと廉価な商品を求める消費動向によって、良質のものをギリギリの価格で提供していた多くの企業がやってゆけなくなりました。日本の産業を支えてきた会社や商店が倒産してしまったことが、巡りめぐって不況につながった面もあると思います。国際競争力も低下してしまいました。


この会社は地道にやって来たのでなんとか生き残ってはいますが、バラエティに富んだ安い商品が手に入る現在、たとえば質の良さを追求してきた研究所オリジナルのおもちゃなどは、消費者にとって割高に見えるかもしれません。


でもおもちゃって実は値段ではないんですよね。子どもの成長のいちばん大切な時にそばにあるもの、成長を助けるものなのです。ぬいぐるみ一つにしても、どこの国の誰が作ったのかも分からない、素材の安全性も分からないものを与えるより、玩具の子供に与える影響を考えたデザインや色のもの、しかもしっかりした生地で日本の職人さんが日本の子どものために一つ一つ手作りしたぬいぐるみを与える方がきっといいと思うのです。


先日のコルクの積木で遊ぶイベントで、子どもたちは積木だけで90分間集中して遊んでいました。単純なおもちゃの方が子どもの創造性は発揮されるようです。たくさんのおもちゃがあるとかえって気が散るのかもしれません。


良質なおもちゃを選んで子どもに与える――それは子どもの創造性や情緒の安定など様々に影響してくると思います。研究所には自由学園の幼児研究のなかから生まれたたくさんのロングセラー玩具があります。


「長い不況時代を経て費用対効果を見極める意識は鋭くなったが、所得増の期待が膨らみ、消費者は安さ以外の価値、『質』に目を向け始めた。」

消費者の賢い選択が日本の産業を支える時代が来たといえるかもしれません。このような機会に、研究所が作っている日本製のよい商品をもっと多くの方に知っていただきたいな、と思った全体会議でした。




2014年8月19日火曜日

ハーゲンダッツVS那須農場のアイス





今日も暑いですね~。暑い夏といえばやっぱりアイスですよね!


じつは、生活工芸研究所には隠れた名品アイスがあるのです。なぜここでアイスを売っているかというと、母体となっている自由学園が栃木県の那須に農場と牧場を持っているからです。そこで放牧されている牛の乳は普段学生が食堂や寮で飲んでいるのですが、農場はその残りの牛乳でアイスを作って、JMショップにて販売しています。つまりここだけで食べられる超限定アイスなのです。


私はこのアイスをはじめて食べたときから、そのおいしさに感動してしました。なんというか、他で食べたことのない味なのです。そこでこのたびブログで紹介しようと思ったのですが、ひとりよがりになってはいけないので、かのハーゲンダッツと比較してみました。


JMショップのアイスはミルク味なので、ハーゲンダッツのミルク味と比べたかったのですが、コンビニやスーパーを何軒か回っても見つからなかったので、定番のバニラ味との食べ比べです。


まず那須農場のアイスです。パッケージには「放牧牛のミルクアイス」とあります(それにしても地味なパッケージ)。アイスクリームではなくてアイスミルクです。乳脂肪分は6%。それに比べてハーゲンダッツは15%、倍以上あります。



誰もが大好きなハーゲンダッツと比べました

一口目にまずミルクのまろやかな味が口中に広がる感じ。とにかくすごいミルク感!昔行ったことのある広大な那須農場でのんびり暮らしていた牛の姿が浮かんできます。さっぱりしている、なのにとってもコクがある。ここが最大の売りです。後味がさわやかです。


さてハーゲンダッツです。うわ、すごい濃い!さっぱりというよりドロリとしています。あちらがオーデコロンとしたらちらは香水。たいへん濃厚、ザ・アイスクリームという感じ。


スタッフ何人かにも試してもらいました。ハーゲンダッツを先に食べてしまうと那須農場アイスのさっぱり感は負けてしまうようです。


「容量は大きいけど(120ml)、大きくても一人で食べられちゃう。ハーゲンダッツのほうはどうしてもコーヒーを入れたくなる」とのこと。


それから「冬にコタツで食べるならハーゲンダッツ、夏に食べるなら那須農場アイス」という納得の感想もありました。


ところでこのアイスは男性にとても人気があるのです。先日、研究所のロングセラーのエプロンを取材してくださったライターの服部夏生さんは、以前那須農場を訪れる機会があり、そこでこのアイスを食べたのだそうです。それがとってもおいしかったとおっしゃるので、取材の日に再び食べていただきました。


「ハーゲンダッツとは対極にあるというか、口溶けがよくて甘さひかえめ。ミルクのおいしさをギュっと封じ込めたような、ほかでは食べられない味です。」


――とコメントしてくださいました。服部さんの記事(東京新聞山手版)↓
https://www.facebook.com/236636439872686/photos/a.237211596481837.1073741828.236636439872686/262775470592116/?type=1&theater

最後に、ショップにいらしたご婦人ふたりに、アイス大好きということなので、コメントいただきました。ハーゲンダッツとは比較なしでの、純粋な感想です。

「濃厚なミルクの味ね、でもあんまり甘くない。香りがいいわね~。さらっとしていて大人のアイスって感じ。」

「すっごくおいしい!上品であっさりしていて、これまで食べたことのない自然な味だわ~。」





JMショップでしか食べられない限定品です。低カロリーなのにコクがある。一度食べたらはまります。ぜひお試しください!